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株価分析の一手法としての回帰分析

株価分析の一手法としての回帰分析
エクセル

財務分析の基本!経営者が知っておくべき4つの分析手法と主要な18指標を解説

「収益性分析」とは、会社が利益を獲得する力をどのくらいもっているかをあらわす指標です。企業の目的は利益を生み続けることなので、収益性が高いほど効率よく継続性のある経営ができていると考えられます。

<売上高に対する利益の割合を見る指標>

<資本に対する利益の割合を見る指標>

①売上高総利益率(粗利益率・粗利率)

「売上高総利益率」とは売上高に対する売上高総利益の割合のことで、取り扱っている商品の利益率をダイレクトにあらわすため「企業の商品力の強さ」を示す指標です。 株価分析の一手法としての回帰分析

<売上高総利益率(粗利益率・粗利率)とは>

<業種別の平均的な粗利益率(規模別)>

②売上高営業利益率

「売上高営業利益率」とは、売上高に対する営業利益の割合を示したもので「営業活動や広告、管理部門も含めた企業の本業における稼ぐ力」を示す指標です。

<業種別の平均的な売上高営業利益率(規模別)>

③売上高経常利益率

「売上高経常利益率」とは、売上高に対する経常利益の割合を示したもので「本業以外の部分も含めた企業全体の稼ぐ力」を示す重要な指標です。

<中小企業の平均的な売上高経常利益率>

■資本に対する利益の割合を見る

④自己資本当期純利益率(ROE)

「自己資本当期純利益率(ROE)」とは、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合のことで、「企業の経営効率の高さ」をあらわす指標です。

<自己資本当期純利益率(ROE)とは>

<中小企業の平均的な自己資本当期純利益率(ROE)>

⑤総資本回転率

「総資本回転率(総資産回転率)」とは、「事業に投資した資本(資産)をどのくらい効率よく活用できたか」を示す指標です。

<中小企業の平均的な総資本回転率>

5.【財務分析手法②】安全性分析ができる5つの指標 株価分析の一手法としての回帰分析

「安全性分析」とは、倒産リスクや支払い能力の高さをあらわす指標です。現金や商品在庫・建物・有価証券などの「資産」と、支払手形や借入金などの「負債」の比率を確認することで財務面のリスクを数字であらわします。

<流動資産と固定資産とは>

<流動負債と固定負債とは>

<短期的な支払能力を見る指標>

<長期的な支払能力を見る指標>

①流動比率

「流動比率」とは、短期的な支払い能力を確認するための指標です。

● 計算式:流動比率(%) =流動資産 ÷ 流動負債 × 100

②当座比率

「当座比率」とは、流動比率よりもさらに短期的な債務返済能力を知るための指標です。

● 計算式:当座比率(%)=当座資産 ÷ 流動負債 × 100

③負債比率

「負債比率」とは、会社の資本(資産)と負債全体の比率を示すことで自己資本に対する中長期的な債務返済能力を確認するための指標です。

● 計算式:負債比率(%) = 負債÷ 自己資本 × 100

④固定比率

「固定比率」とは、会社の資本(資産)と固定資産の比率を示すことで固定資産への投資金額がどのくらい自己資本でまかなわれているかをあらわす指標です。
長期的な支払い能力の分析に使用します。

● 計算式:固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100

⑤固定長期適合率

「固定長期適合率」とは、固定資産を安定した資金でまかなえているかどうかを知るための指標です。

株価分析の一手法としての回帰分析 ⑥自己資本比率

「自己資本比率」とは、会社の資本のうち自己資本と他人資本(金融機関からの融資など)のバランスを知ることで財務状態の安定性をはかるための指標です。

6.【財務分析手法③】生産性分析ができる5つの指標

「生産性分析」とは、事業に投資した経営資源に対してどれくらい効率よく成果を上げることができたかをあらわす指標です。

①労働分配率

「労働分配率」とは企業が稼いだ利益をどのくらい人件費に還元しているかを示す、人件費の適正度合いを知るための指標です。

● 計算式:労働分配率(%) = 人件費÷売上総利益(粗利益) × 100

②労働生産性

「労働生産性」とは、企業が付加価値を生み出すために人件費をどのくらい効率に使えているかをあらわす指標です。

● 計算式:労働生産性(円)= 付加価値額 ÷ 従業者数

<付加価値の計算方法2パターン>

③資本生産性 株価分析の一手法としての回帰分析

「資本生産性」とは企業が付加価値を生み出すために投入した資本をどのくらい効率に使えているかをあらわす指標です。

● 計算式:資本生産性(円) = 付加価値 ÷ 有形固定資産額

7.【財務分析手法④】成長性分析ができる5つの指標

「成長性分析」とは、会社の経営拡大の度合いや将来の可能性をあらわす指標のことです。

①売上高成長率(増収率)

「売上高成長率」とは、売上高が1年間でどのくらい増えたかを示す指標で「増収率」とも呼びます。

<売上高成長率(増収率)とは>

● 計算式:売上高成長率(%) 株価分析の一手法としての回帰分析 =(当期売上高 - 前期売上高)÷ 前期売上高 × 100

②経常利益成長率(増益率)

「経常利益成長率」とは、経常利益が1年間でどのくらい増えたかを示す指標で、増益率とも呼びます。

<経常利益成長率(増益率)とは>

● 計算式:経常利益成長率(%)=(当期経常利益 - 前期経常利益)÷ 前期経常利益 × 100

③総資本成長率

「総資本成長率」とは、資本が1年間でどのくらい増えて企業規模が拡大したのかを示す指標です。

● 計算式:総資本成長率(%)=(当期総資本-前期総資本)÷ 前期総資本 × 100

④売上高研究開発費比率

「売上高研究開発費比率」とは、売上高に占める研究開発費の割合から「研究開発にどのくらい注力しているのか」を知ることができる指標です。

<売上高研究開発費比率とは>

株価分析の一手法としての回帰分析 <中小企業の売上高研究開発費比率>

8.最短で経営改善できる!正しい財務分析の流れ

そこでこの章では、効率よく自社の成績を確認して経営状況改善に役立てるためのスムーズな財務分析の流れを紹介します。
おおまかな全体の流れは下記の通りです。

<スムーズな財務分析の流れ>

1.必要な決算書を準備する

2.基本的な2大ポイントを分析

株価分析の一手法としての回帰分析 株価分析の一手法としての回帰分析 3.自社に必要な応用項目を分析

● 黒字だった場合:他社と比べて利益幅は大きいのか、前年と比べて増えているか など
● 赤字だった場合:赤字の原因は売れていないからなのか、コストがかさんだのか など

1.必要な決算書を準備する

<財務分析のために準備する決算書①>

損益計算書(P/L)

<財務分析のために準備する決算書②>

貸借対照表(バランスシート、B/S)

2.基本的な2大ポイントを分析

<基本的な2大ポイントの分析>

確認ポイント①:利益は黒字か

利益には5つの種類がありますが、まずはそれぞれ全てがプラスになっていることが望ましいです。
中でも、会社の通常の利益である「経常利益」がマイナスになっていないかどうかに着目しましょう。

確認ポイント②:倒産するリスクはどのくらいか

次は「貸借対照表(B/S)」を確認します。
使用する指標は「安全性分析」の項目でお伝えした「流動比率」です。
この指標で短期的な倒産リスクを確認しましょう。

3.自社に必要な応用項目を分析

財務分析の目的は「現在の会社の状況を数字から正しく把握して、経営方針決定の材料として活用すること」でした。
しかし、やみくもに「売上を上げたい」「利益を伸ばしたい」「無駄なコストを削減したい」と言っても、会社によってヒト・モノ・カネのどこに無駄があるのかは異なります。

そのため自社の目的に応じて、これまで紹介してきた財務分析手法から有効な指標を選び数値を確認するようにしましょう。

財務分析の応用例①利益を増やしたいがどうすればいいか知りたい

「利益を増やす方法を知りたい」という場合は、商品力を上げるべきかそれとも営業活動を強化すべきかを調べることで、事業改善方針を決めるという方法があります。

<「売上高総利益率」で現状の自社の商品力が高いかどうかを調べる>

<「売上高営業利益率」で営業活動の効率の良さを調べる>

上記の他にも、結果によって色々なことが考えられます。
売上高総利益率も売上高営業利益率も適正なのであれば、あとは絶対額を増やすために営業の人員を増やしてとにかく規模を拡大するのが有効かもしれません。
どちらも低いなら、根本的にビジネスモデルを改善したほうが良いかもしれません。

このように自社にとってどういった対策が有効なのかを判断したいなら、利益構造を可視化できる上記のような指標を活用するのが良いでしょう。

財務分析の応用例②財務面で安定した経営を行いたい

<「自己資本比率」で現状の自社の財務面の安全性を調べる>

このように平均と比較できる財務指標を活用することで、自社がどのような立ち位置にいるのか確認し、どんなリスクに対処する必要があるのか早期発見することができます。

財務分析の応用例③競合他社に負けないための方法を知りたい

<「労働生産性」で業務効率を他社と比較する>

<「売上高研究開発比率」で研究開発への注力度合いを他社と比較する>

このような客観的な数字で比較をすることで競合他社との違いを認識し、改善すべき点と伸ばす点を決めるようにしていきましょう。

9.財務分析を行う際の注意点

9-1.何%であれば良いということは一概にはいえない

財務分析で用いられる各指標は、一般的な目安や業界平均値と比較して評価することが多いと思います。
しかし、一概に何%だから良い・悪いとは評価できない場合もあります。

過度に平均や他社の数値を気にするのではなく、自社の戦略に合った目標を立ててそれを達成できているかどうかという視点で財務分析を活用することが大切です。

9-2.財務・会計以外の要素を考慮した価値やリスクの分析はできない

財務分析は、あくまでも決算書の財務指標を使った分析手法です。そのため、それ以外の価値やリスクを分析することはできないという弱点もあります。

財務指標以外の情報やデータも積極的に入手し、総合的に経営改善を進めていくことが大切です。

9-3.困ったら自己流で行わず税理士に相談する

そんなときは税理士に相談するのがおすすめです。
決算書には経営判断に必要な情報がたくさん載っていますが、正しく財務分析ができないと自己流で効率の悪い戦略を立ててしまうかもしれません。

現状を正しく理解して業績を伸ばすために何をすればいいのか判断するためには、税理士と一緒に正しい財務分析を行って戦略を立てるのが効率的です。

財務分析に詳しい税理士に相談したい方は、現在の税理士を変えなくても無料で受けられる簡易の財務コンサルティングサービスをご利用ください。

10.まとめ

財務分析とは、財務諸表などの決算書の数字をもとに「会社の収益性や安全性などの経営状況がどうなっているのか」を細かく調べることです。

<財務分析を活用する方法>

収益性分析

①売上高総利益率(粗利益率・粗利率)
②売上高営業利益率
③売上高経常利益率
④自己資本当期純利益率(ROE)
⑤総資本回転率

安全性分析

①流動比率
②当座比率
③負債比率
④固定比率
⑤固定長期適合率
⑥自己資本比率

生産性分析

成長性分析

①売上高成長率(増収率)
②経常利益成長率(増益率)
③総資本成長率
④売上高研究開発比率

必要な決算書を準備する

基本的な2大ポイントを分析

自社に必要な応用項目を分析

<財務分析を行う際の注意点>

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佐々木 良一郎

ビジョン税理士法人 社員税理士/取締役
【出身大学】東京理科大学 大学院卒
【一言】
中小企業の社長の皆様に、経営にお役に立つ情報を随時お届けします。 株価分析の一手法としての回帰分析
一見すると分かりづらい決算書の読み方や数字の活用の仕方を、分かりやすくお伝えすることをモットーにしてます!

非流動性ディスカウントに関する判例の考察|企業価値評価・算定のプルータス・コンサルティング公式サイト

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1. はじめに

日本経済新聞は、平成27年3月31日朝刊に「将来の収益性で計算なら…非上場株の減額認めず 最高裁、株主訴え認める M&A、算定法統一へ」の記事を掲載した。
報道された裁判は、非流動性ディスカウントを考慮しない収益還元法による算定結果を採用し、株式の価格決定を行ったものであり、株価を巡る裁判では、収益還元法を採用すると非流動性ディスカウントを考慮しないものと受け止められ、M&Aの実務家の間で話題になるとともに疑問を感じるものも少なくなかった。
本稿では、非流動性ディスカウントの概念と実務上の取扱い、過去の判例における非流動性ディスカウントの取扱いを解説した上で、上記裁判の考え方について考察する。

2. そもそも非流動性ディスカウントとは何か

株主価値の算定にあたっては、実務の参考に資する研究報告として、日本公認会計士協会が公表した「企業価値評価ガイドライン」(経営研究調査会研究報告第32号)がある。「企業価値評価ガイドライン」は、評価アプローチには、インカム・アプローチ、マーケット・アプローチ及びネットアセット・アプローチの3つをあげ、これら3つのアプローチによる検討を行い、総合的な評価結果(総合評価)を導くべきことが解説されている。
それでは、3つのアプローチと非流動性ディスカウントとの関係は、どのように整理されるのであろうか。それぞれのアプローチによる評価結果を出した上で、第2のステップとして総合的な評価結果を導く過程で考慮されるのが非流動性ディスカウントである。
非上場株式は、上場株式と異なり市場で株式を売却することができないため、売却先候補を探し価格交渉等にコストをかけざるを得ない事情があり、投下資本の回収にリスクがあるため一定のディスカウントを受け入れざるをえない。このような事情から非上場株式の取引価格を決定する際には、非流動性ディスカウント 1) 「企業価値評価ガイドライン」52頁では、「上場会社の株式と比較して、非上場会社の株式の流動性は低い。非上場会社の株式を換金しようとするときには追加的なコストがかかるため、非上場会社の株価は上場会社よりも低く評価される。これは、非流動性ディスカウントと呼ばれている。我が国において、非上場会社の評価においては、どの程度の非流動性ディスカウントを見込むべきかに関して合意された水準があるわけではないが、評価の際には類似取引等を参考に考慮する必要がある。」と解説されている。 を考慮することが実務では一般的である。
すなわち、非流動性ディスカウントとは、買い手による将来の売却にかかる見積もりコストを考慮したディスカウントであり、交渉により決定されるものである。交渉により決定される以上、客観的な算式により決定されるものではないが、米国のスタンダードな教科書においては「一般則としては、非流動性割引率は推定価値の20%から30%に設定される 2) アスワス・ダモダラン著、山下恵美子訳『資産価値測定総論3』パンローリング、42頁 」とある。我が国でも、実務上、非流動性ディスカウントを30%程度にして株主価値を算定する実務が定着しており、米国のデータとも整合しており不合理なものではないと考えられる。
なお、ネットアセット・アプローチは、貸借対照表の資産負債を時価で評価し直して純資産額を算出し、一株当たりの時価純資産額をもって株主価値とする方法であるが、個々の資産の時価評価にあたって、非流動性ディスカウントが考慮されるため、ネットアセット・アプローチによる評価結果に、さらに非流動性ディスカウントを考慮することはない。
したがって、非流動性ディスカウントを考慮するのは、将来に生み出すと期待されるキャッシュ・フローに基づいて評価対象会社の価値を評価するインカム・アプローチと、上場している類似する会社と比較することによって相対的な価値を評価するマーケット・アプローチの2つのアプローチである。

3. そもそも株主価値はどのように決定されるのか

株式投資は、株式の保有によって得られる経済的利益を期待して行われるものである。この経済的利益の主たる源泉は、対象会社が将来に生み出すと期待されるキャッシュ・フローであり、株主価値は、インカム・アプローチによる評価が基本となる。
しかしながら、将来の期待キャッシュ・フローは、見積りによるものであり不確実性が伴うことから、多数の投資家が参加するマーケットで形成された取引価格を参考にして株主価値を算定することが客観性の点で優れていることから、マーケット・アプローチによる評価結果を参照することも重要である。
マーケットに参加する投資家は、インカム・アプローチにより算定する株主価値等を参照しながら取引の意思決定をするのであり、概念上は、インカム・アプローチによる株主価値とマーケット・アプローチによる株主価値は、長期的には同水準に収束するものと考えられる。ただし、非上場の評価対象会社の株式の取引事例を参照するマーケット・アプローチを採用する場合は、取引事例の価格が非流動性ディスカウントを考慮して形成される可能性がある。したがって、非流動性ディスカウントを考慮した取引事例を参照する場合は、マーケット・アプローチによる株主価値とインカム・アプローチによる株主価値との間には、非流動性ディスカウントの分だけ差異が生じる。
ネットアセット・アプローチは、保有する資産負債を時価評価することによる時価純資産額をもって株主価値とする方法であるが、事業からの期待キャッシュ・フローが見込めず、超過収益力がない(時価純資産額を上回る経済的利益を期待できない)場合等に適用されるアプローチであり、M&Aにおいては、上記2つのアプローチに較べて適用される場面は少ない。

4. 判例における非流動性ディスカウントの取扱い

非流動性ディスカウントを考慮しない判例には、カネボウのスクイーズアウトの事案がある。当事案は、スクイーズアウトによる株式の価格決定を求める裁判であるが、この判例では、「本件鑑定人は、本件株式買取価格の決定においては、株式売却を意図していない少数株主が会社から離脱することを余儀なくされた場合に少数株主に対する売却を前提とする非流動性ディスカウントを考慮する必要はないこと」から、非流動性ディスカウントを考慮しない価格決定がなされている。
株式を売却する意図がない株主から、強制的に買取る場合には、非流動性ディスカウントを考慮する必要がないとの考え方が採用されているのである。
したがって、譲渡制限のある非上場株式の譲渡承認を求めたところ承認されず、会社が買取ることになり、その際の価格決定を求める裁判では、株式を売却する意図があり、強制的に株式を手放すわけではないので、非流動性ディスカウントを考慮する余地があると考えられる。

5. 最高裁判例の考察

報道された最高裁の判例は、裁判所のホームページに公表されている(平成26年(許)第39号 株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 平成27年3月26日 第一小法廷決定) 3) http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85016 平成27年6月30日アクセス 。 株価分析の一手法としての回帰分析
当判例は、合併に反対した株主が有する株式を公正な価格で買い取るよう請求したが,その価格の決定につき協議が調わないため、反対株主が、会社法786条2項に基づき、価格の決定の申立てをした事案である。
合併に反対した株主は、合併により新会社の株式を交付されることを拒否し、株式の買取請求を求めたものであり、保有する株式を合併により新会社の株式に交換されることを望まず、止むを得ず手放すことになったものであると考えられる。この事案は、自らの意思で株式の売却を望んだのではないことから、カネボウ事案のスクイーズアウトと同様に、非流動性ディスカウントを考慮しない決定がなされるべきものと考えられる。
判例は、「吸収合併等に反対する株主に公正な価格での株式買取請求権が付与された趣旨が、吸収合併等という会社組織の基礎に本質的変更をもたらす行為を株主総会の多数決により可能とする反面、それに反対する株主に会社からの退出の機会を与えるとともに、退出を選択した株主には企業価値を適切に分配するものであることをも念頭に置くと」との説明があり、自らの意思で株式の売却を望んだものではない事情を考慮しており、妥当な考え方である。
しかしながら、「非上場会社の株式の価格の算定については、様々な評価手法が存在するが、どのような場合にどの評価手法を用いるかについては,裁判所の合理的な裁量に委ねられていると解すべきである。しかしながら、一定の評価手法を合理的であるとして、当該評価手法により株式の価格の算定を行うこととした場合において、その評価手法の内容、性格等からして、考慮することが相当でないと認められる要素を考慮して価格を決定することは許されないというべきである。非流動性ディスカウントは、非上場会社の株式には市場性がなく、上場株式に比べて流動性が低いことを理由として減価をするものであるところ、収益還元法は、当該会社において将来期待される純利益を一定の資本還元率で還元することにより株式の現在の価格を算定するものであって、同評価手法には、類似会社比準法等とは異なり、市場における取引価格との比較という要素は含まれていない。」「したがって、非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ、裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に、非流動性ディスカウントを行うことはできないと解するのが相当である。」とある。これらを要約すると以下のようになる。

  • 収益還元法(インカム・アプローチ)は、類似会社比準法等とは異なり、市場における取引価格との比較という要素は含まれていないため、同評価手法に要素として含まれていない市場における取引価格との比較により更に減価を行うことは、相当でない。
  • したがって、非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ、裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に、非流動性ディスカウントを行うことはできないと解するのが相当である。
  • 類似会社比準法(マーケット・アプローチ)
    時価と比較して算定する手法であり、その結果は流動性を前提とするため、非流動性ディスカウントを考慮すべきである。
  • 収益還元法(インカム・アプローチ)
    時価と比較する過程がない手法であり、流動性の有無を前提にしないため、非流動性ディスカウントを考慮すべきでない。

収益還元法(インカム・アプローチ)は、対象会社の将来の収益(フリー・キャッシュ・フロー)の現在価値をもって株主価値とするものである。収益還元法(インカム・アプローチ)は、将来の収益(フリー・キャッシュ・フロー)が全額株主に還元されることを前提にしているのであり、完全な流動性が確保されていることを前提にした評価手法である。収益還元法(インカム・アプローチ)は、非流動性ディスカウントが自動的に織り込まれるものではないことから、類似会社比準法(マーケット・アプローチ)と同様に、基本的に上場株式に比べて流動性が低いことを理由とした減価(非流動性ディスカウント)の検討を要する。
したがって、「裁判において、収益還元法を採用する場合は、非流動性ディスカウントを考慮すべきでない。」とする収益還元法に限定した解釈は適切でないと考えられる。
評価手法の選択如何に関わらず、「非上場会社において会社法785条1項(吸収合併等)に基づく株式買取請求がされ、裁判所が株式の買取価格を決定する場合に、非流動性ディスカウントを行うことはできないと解するのが相当である。」とすべきであり、合併等の組織再編における買取価格は、非流動性ディスカウントをすべきでないと整理すべきである。
また、自らの意思で株式を売却したい場合の裁判(譲渡制限株式の譲渡承認を得られなかった場合の買取価格決定を求める場合)においては、株式売却を意図していない少数株主が会社から離脱することを余儀なくされた場合と異なり、通常の株式売買と同様の取引と考えられることから、非流動性ディスカウントを考慮する余地があるとの理解が妥当であると考えられる。
このように整理しないと、現在の評価実務と整合性がとれなくなるだけではなく、評価理論の観点からも理論的に説明できないのである。本稿の意見について、皆様から広くコメントをいただければ幸いである。

データ分析基礎知識サイト

回帰分析は予測をすることが目的のひとつでした。身長から体重を予測する、母親の身長から子供の身長を予測するなどです。相関関係を「Y=aX+b」の一次方程式で表せたとすると、定数の a (傾き)と b (y切片)がわかっていれば、X(身長)からY(体重)を予測することができます。 以下の回帰直線の係数(回帰係数)はエクセルで描画すれば簡単に算出されますが、具体的にはどのような式で計算されるのでしょうか。

単回帰分析の実際

相関係数 correl (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 傾き slope (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 切片 intercept (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 決定係数 rsq (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲)

相関係数とは

(1)XとYの共分散(偏差の積和の平均)とは
「XとYの共分散(偏差の積和の平均)」という概念がわかりづらいと思うので、説明をしておきます。 先ほども使用した以下の15個のデータにおいて、X,Yの平均は、それぞれ5.73、5.33となります。1番目のデータs1は(10,10)ですが、「偏差」とはこのデータと平均との差のことを指しますので、それぞれ(10−5.73,10ー5.33)=(4.27,4.67)となります。グラフで示せば、RS、STの長さということになります。

【秒で使える】重回帰分析をエクセルの分析ツールでやってみよう

エクセル

複数の変量から一つの変量を予測する重回帰分析は、複数の要因から売上、利益、要求性能を予測しなければならないビジネスパーソンにとって非常に重要なツールです。

幸いにもエクセルの分析ツールを使用すれば、いとも簡単に重回帰分析が可能です。

分析ツールで重回帰分析を実施しよう

まずはデータの確認

ここの表では、縦に長くなってしまうので滋賀県から別の列にしていますが、分析ツールを使う際には一列にしておく必要があります。

分析ツールを使って重回帰分析しよう

分析結果を読み解こう

補正R2

係数

t値、p値

下限、上限95%

補正R2は決定係数に補正を入れたもので、ここで色々並んでいるRの中で一番当てになる値と考えてください。

R2=0.65はまずまずといったところです。

係数はそのまま回帰係数を指します。この値を使えば、回帰式を書くことが出来ます。

t値はt分布におけるt値のことで、自由度とt値が確定するとp値が決定します。

p値は有意水準5%とした場合、0.05を下回っていれば

補正R2、係数、t値、p値、下限、上限95%

コンテンツ紹介

エクセルやJAMOVIといった無料で使える統計ツールの実際の使い方。そして無料動画では敷居の高い(というよりマニアックゆえに再生数が見込めない(笑))解説動画をアップしています。

そういう方もいらっしゃると思います。私の経験上、そういったデータ分析が出来ない状況の一つとして量的変数として目の前の現象を扱えていないというものがあります。

データ分析基礎知識サイト

回帰分析は予測をすることが目的のひとつでした。身長から体重を予測する、母親の身長から子供の身長を予測するなどです。相関関係を「Y=aX+b」の一次方程式で表せたとすると、定数の a (傾き)と b (y切片)がわかっていれば、X(身長)からY(体重)を予測することができます。 以下の回帰直線の係数(回帰係数)はエクセルで描画すれば簡単に算出されますが、具体的にはどのような式で計算されるのでしょうか。

単回帰分析の実際

相関係数 correl (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 傾き slope (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 切片 intercept (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲) 決定係数 rsq (Yのデータ範囲,Xのデータ範囲)

相関係数とは

(1)XとYの共分散(偏差の積和の平均)とは
「XとYの共分散(偏差の積和の平均)」という概念がわかりづらいと思うので、説明をしておきます。 先ほども使用した以下の15個のデータにおいて、X,Yの平均は、それぞれ5.73、5.33となります。1番目のデータs1は(10,10)ですが、「偏差」とはこのデータと平均との差のことを指しますので、それぞれ(10−5.73,10ー5.33)=(4.27,4.67)となります。グラフで示せば、RS、STの長さということになります。

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