FX手法

レジスタンスレベルの定義

レジスタンスレベルの定義
トヨタがレベル4の自動運転を開発中の実験車

アディポカインとインスリン抵抗性の関係

Associations of Adiponectin, Resistin, and Tumor Necrosis Factor-α with Insulin Resistance
Marie-France Hivert, Lisa M. Sullivan, Caroline S. Fox, David M. Nathan, Ralph B. D'Agostino, Sr., Peter W. F. Wilson, and James B. Meigs レジスタンスレベルの定義
J Clin Endocrinol Metab. 2008 August; 93(8): 3165-3172.
Published online 2008 May 20. doi: 10.1210/jc.2008-0425

それ故に、本研究の目的は、大規模な選択されていない標本において以下の仮説を分析することである。
1 アディポネクチン・レジスチン・TNFα濃度は、BMIによる補正を加えることに関連なく、HOMA-IRで測定されるインスリン抵抗性と関連がある。
2 アディポカインとインスリン抵抗性の関連は、メタボリックシンドロームまたは空腹時高血糖の存在有無によって定義される2型糖尿病発現リスクの高低にかかわらず継続する。
3 アディポカイン濃度は、糖尿病前症を含む多変量モデルにおいて、個別にも同時にもインスリン抵抗性と関連がある。

(1)対象者
1998~2001年に実施されたFramingham Offspring Study7回目検査において、3,539人が空腹時血液サンプル提供および標準的健康診断を行った。糖尿病389人、メタボリックシンドローム診断値に不備のある311人、アディポカイン濃度データに不備のある483人を除外し、2,356人を本研究分析対象とした。

他の変数には、心疾患危険因子を含めた。
1 身長・体重・腹囲を測定し、BMIはキログラム体重÷メートル身長の二乗で算出した。
2 血圧は、少なくとも5分間座った後に2回測定した平均値を取った。
3 糖尿病前症は、メタボリックシンドロームであるか空腹時高血糖であることと定義した。
4 メタボリックシンドロームは、成人治療パネル3(ATP Ⅲ)基準を用い、以下のうち三つ以上が存在する場合と定義した。
①空腹時血糖値 5.6~6.9mmol/liter
②腹囲 男性で102cm以上、女性で88cm以上
③空腹時トリグリセリド値 1.7mmol/liter以上
④HDL-C値 男性で1.0mmol/liter未満、女性で1.3mmol/liter未満
⑤高血圧 130/85mmHg以上、または高血圧治療を受けている
5 空腹時高血糖は、空腹時血糖値が5.6mmol/liter以上6.9mmol/liter以下と定義し、糖尿病は空腹時血糖値が7.0mmol/liter以上、または血糖降下剤を使用している場合とした。

以下の分析を実施した。
1 アディポカイン濃度とHOMA-IRとの相関、およびアディポカイン三分位とインスリン抵抗性傾向の分析
2 メタボリックシンドロームの有無によるHOMA-IRおよびアディポカイン分布
3 アディポカイン濃度三分位およびメタボリックシンドロームの有無によるインスリン抵抗性傾向
4 インスリン抵抗性とメタボリックシンドロームの有無およびアディポカイン三分位群との関連に関するロジスティック回帰分析

(1)対象者特性
定義に基づき、対象者の25%はインスリン抵抗性ありに分類された。メタボリックシンドロームは42%となり、以下のような特徴があった。
1 より平均年齢が高い
2 より平均BMI値が高い
3 男性の方が多い
4 より平均HOMA-IR値が高い
5 よりインスリン抵抗性ありに分類されている(メタボリックシンドロームである人のうち、47.5%がインスリン抵抗性ありに分類され、インスリン抵抗性ありに分類された人の79.6%がメタボリックシンドロームであった)

2. 制御システムの安全関連部とは

制御システムの安全関連部は、SRP/CSとも表現されます。SRP/CSは、「safety-related part of a control system」の略で、制御システムの安全関連部全体を指す場合のみならず、入力部・論理部・出力部を個別に指すときにも用いられます。(図4参照)

3. パフォーマンスレベル(PL)とは

表1 パフォーマンスレベルとその区分
パフォーマンスレベル(PL) 単位時間当たりの、危険側故障発生の平均確率 PFHD(1/h)
a 10 -5 レジスタンスレベルの定義 レジスタンスレベルの定義 以上 10 -4 未満
b 3×10 -6 以上 10 -5 未満
c 10 -6 以上 3×10 -6 未満
d 10 -7 以上 10 -6 未満
e 10 -8 以上 10 -7 未満

パフォーマンスレベル(PL)は、カテゴリ(Cat)に基づくSRP/CSの回路構成が基本となりますが、それだけでなくそこに使用されるデバイスの信頼性を示す、危険側故障を発生するまでの時間であるMTTFD(平均危険側故障時間)、とSRP/CSによるシステム内の危険側故障の検出率であるDC(診断範囲)、一つの故障原因から独立した複数の故障が引き起こされる共通原因故障(CCF)を考慮した設計をしているという4つの要素で決定されます。このことからPLは、図5のように表現できます。

4. ISO13849-1における制御システムの安全関連部(SRP/CS)の設計プロセス

iso13849_06.jpg

5. パフォーマンスレベルの評価手順

iso13849_07.jpg

5.1. 要求パフォーマンスレベル(PLr)の決定

※PLr:要求パフォーマンスレベル(required performance level)
「安全機能の各々に対し、要求されるリスク低減を達成するために適用されるパフォーマンスレベル」


その結果、選択されたa~eまでの1つが要求パフォーマンスレベル(PLr)となります。 図6のようにPLr = aは、構築する制御回路が受け持つリスク低減の度合が少なくてもよいことになります。一方、PLr = eが選択されると、構築する制御回路が受け持つリスク低減の度合は大きくなります。 なお、ここで決定したPLrに対して、実際に計算したPLの結果を比較して、SRP/CSが対象とする危険源のリスクに対し適切である可動かを判断します。

5.2. カテゴリの決定

カテゴリとは「障害に対する抵抗性(フォールト・レジスタンス),及び障害条件下におけるその後の挙動に対する制御システムの安全関連部の特性に関する分類であって,当該部の構造的配置,障害検出及び/又はこれらの信頼性によって達成される。」と定義されています。つまり、制御システムの安全関連部の回路構成を決定するに当たっての安全機能要求がカテゴリです。
カテゴリは「指定アーキテクチャ(designated architecture)」として規定され、後述のようにカテゴリB, 1, 2, 3, 4の5つに分類されます。

図9には、達成されるPLと、カテゴリ、DCavg、およびMTTFDとの関係性が示されます。
この図9を用いて、要求されるPLrに対して、少なくとも同等あるいはそれ以上のPLを持つ制御システムを構築するためのカテゴリを決定します。

たとえば、図10に示すようにPL=cのシステムを設計する場合、構造(アーキテクチャ)はカテゴリ1~3のいずれかを選択できます。

5.2.1. 各カテゴリの要求事項

①カテゴリB、1
カテゴリB、1のアーキテクチャを図11に示します。 両カテゴリにおいて、アーキテクチャの図は同じです。故障診断機能は共になく、信号はI (入力部)からO(出力部)への一方通行です。なお、カテゴリ1のMTTFDは、カテゴリBのそれより長い必要があります。つまり、カテゴリ1の方が危険側故障の確率はより低く、安全機能喪失の確率はより小さくなります。 なお、カテゴリB, 1には故障診断機能が無いため、PLの計算をする上で、DCavg(診断範囲)やCCF(共通原因故障)の考慮は必要ありません。

②カテゴリ2
カテゴリ2のアーキテクチャを図12に示します。
このアーキテクチャでは、故障診断機能が付加されています。これは試験装置と表現されTE(Test Equipmentの略)と表記されます。またこの試験装置の出力はOTE(Output of TEの略)と表記されます。TEがI、L、Oの診断を行い、異常があればOTEへ出力する構成になっています。なお、TEはLの中に含まれていることもあります。
またカテゴリ2は故障診断機能を有するため、DCavg(診断範囲)やCCF(共通原因故障)に対する考慮が必要です。

③カテゴリ3
カテゴリ3のアーキテクチャを図13に示します。
このアーキテクチャでは、信号経路は二重化され、入力信号は互いにL1、L2(論理部)のクロスモニタリングによって、信号の不一致(異常)がないかを相互監視しています。O1、O2(出力部)はL1、L2(論理部)でモニタリングされ、論理部で出力信号と出力部の状態を比較することで、バックチェックを行い、自己診断されます。

④カテゴリ4
カテゴリ4のアーキテクチャを図14に示します。
このアーキテクチャの構成はカテゴリ3と同じですが、カテゴリ4ではC(クロスモニタリング)やm(モニタリング)を行う自己診断機能の性能が高くなっています。これを強調するため破線ではなく実線で示してあります。

iso13849_15.jpg

5.3. MTTFDの算出

MTTFDは、「mean time to dangerous failure」の略で、対象となるデバイスまたは制御システムの安全関連部が危険側に故障するまでの平均時間の期待値のことで、年数で表します。システムの信頼性の観点からこのパラメータが必要とされています。

PLを決定するためにはシステム全体のMTTFDを計算しますが、まず関連する各コンポーネントのMTTFDを決定し、その後に各チャネルのMTTFDを計算します。それを元に全体のMTTFDを計算します(複数チャネルの場合)。なお、チャネルごとのMTTFD値は、表3のように3つに区分され、また上限・下限共に制限されています。

チャネルのMTTFDを計算した結果、3年未満の場合はMTTFDの範囲を満たしません。 各コンポーネントのMTTFD値は、100年を超えることは許容されています。一方、各チャネルのMTTFD値は、計算の結果100年を超えたとしても100年に制限されます。ただし、カテゴリ4の構成であれば、回路構成(冗長化)とDCの値が非常に高いことから、各チャネルの最大MTTFDは2500年まで許容されます。

5.3.1. 各デバイスのMTTFD

各コンポーネントのMTTFDの数値は次の優先順位で決定します。 第一優先 製造者(メーカー)から提供されるMTTFD値 第二優先 この規格の附属書CまたはDに記載の値 第三優先 附属書Cに値がなければ、MTTFD=10年とする。

5.3.1.1. コンポーネントのB10DからMTTFDを計算する


5.3.2. チャネル全体のMTTFD計算方法 パーツカウントメソッド

各デバイスのMTTFD値を決定すると、それを元に各チャネルのMTTFDを次に計算します。(式(3)参照)

たとえば、MTTFD1=30年、MTTFD2=30年、MTTFD3=30年 とすれば、1/ MTTFD=1/30+1/30+1/30 となり、このチャネルのMTTFDは10年となります。

5.3.3. 異なるMTTFDを持つチャネルの場合のMTTFDの決定方法


式(4)を使用した場合MTTFD1=3年、 MTTFD2=100年とすれば、全体のMTTFDは66年となります。
これは、両方のチャネルそれぞれをMTTFD=66年のチャネルと見なすことと同等の意味を持ちます。

5.4. DC(診断範囲)およびDCavgの算出

パフォーマンスレベルを見積るためには、システム全体のDCavg(平均診断範囲)を計算する必要があります。そのためには各コンポーネントのDC(診断範囲)を決定する必要があります。 DC(診断範囲)とは危険側故障をどの程度検出できるのかを%で示します。具体的には検出される危険側故障率(λDD)と、全危険側故障率(λtotal)の比率で表されます。(式(5) レジスタンスレベルの定義 参照)

DC(診断範囲)は、コンポーネントやシステムの安全側故障は考慮されていません。危険側故障だけを対象としています。また、DCは4つに区分されています。(表4参照)

なお、論理装置(安全コントローラなど)、セーフティライトカーテンなどの電気・電子デバイスはその装置の内部に自己診断機能を持っていますが、インタロックスイッチ、非常停止スイッチなど、機構コンポーネントは一般的に自己診断機能を持っていません。しかし、論理部との接続を冗長化し、信号の不一致などを論理部(安全コントローラなど)で監視することで、制御システムの安全関連部全体として高いDCを持つことができます。
各コンポーネントのDCの選択は、ISO13849-1 Annex Eから、入力装置、論理装置、出力装置に関して、それぞれ記述された診断技術に適合したものを選択することになります。
また、コンポーネントのDCが決まった後は、その値を利用して、システム全体のDCavgを計算することになります。(式(6)参照)

なお、故障検出のないコンポーネント(診断されない部分)は、DC=0 です。

5.5. CCF(共通原因故障)の評価

CCF(common レジスタンスレベルの定義 cause failure)とは、「単一の事象から生じる異なったアイテムの故障であって、これらの故障が互いの結果ではないもの」と定義されています。これは、単一の原因による故障の結果が、次の故障を誘発して複数の故障が発生することはなく、あくまで単一の原因によって複数の独立した故障が発生するという意味です。
たとえば、過電圧/異常周囲温度などが原因で、互いに関係のない回路の部品(複数)が故障することを指します。このような可能性のある事象に対して、システムがどのように対策を行っているのかを示す指標がCCFです。

CCFは、ISO13849-1 Annex F 表F.1の複数の設問に対して、Yes またはNoで回答し、100ポイント中、少なくとも65ポイントを獲得できる方策が実施されていれば、CCFの要求事項に適合していると見なします。(表5参照)
なお、表5に示されるCCCに対する方策の各項目について、部分的な対応では部分点は付与されず、該当する項目に対する点数は0(ゼロ)となります。
またこの設問に対する記入は、一般的に制御システムの安全関連部の設計者が記入します。

5.6. パフォーマンスレベル(PL)の評価

制御システムの安全関連部として要求されるPLrに対して、実際に設計された回路のカテゴリ、MTTFDとDCavg、CCF評価結果からISO13849-1 付属書K 表K.1からシステムのPLを算出し、そのPLがPLrと同じか、それ以上のレベルであることを確認します。PLr≦PLが確認されれば(危険側故障の平均発生確率が同等か小さければ)、リスク低減目標が達成されたことになります。

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自動運転

自動運転

トヨタがレベル4の自動運転を開発中の実験車

●自動化の技術レベルを示す指標

・レベル0
ドライバーがすべての運転操作を実行(運転の主体はドライバー)

・レベル1
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のいずれかを部分的に行う(運転の主体はドライバー)

・レベル2
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を部分的に実行(運転の主体はドライバー)

・レベル3
システムが決められた条件下で全ての運転操作を実行。ただし、自動運転の継続が難しい場合は、システムからの要請でドライバーがいつでも運転に戻る必要がある(運転の主体はシステム、作動継続が困難な場合はドライバー)

・レベル4
システムが決められた条件下で、全ての運転操作を実行(運転の主体はシステム)

・レベル5
システムが全ての運転操作を実行(運転の主体はシステム)

自動運転

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自動運転

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自動運転

レベル3では、自動運転中もすぐに運転をシステムから代わる準備をすることが必要

一般社団法人 日本動脈硬化学会

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脂質異常症診療のQ&A

LDL-C高値やTG高値は動脈硬化性疾患との関連が深い病態ですが、HDL-C低値も動 脈硬化性疾患と非常に関係の強い病態です。「脂質異常症」という診断名が使用される以前は「高脂血症」という診断名がこれらすべての病態に対して使われていましたが、文字通り脂質値が高くなる場合(LDL-C、TG)のみならず、HDL-Cが低くなる場合も含めての診断名が「高脂血症」であったため、違和感がありました。それゆえ2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドライン改訂に際し、診断名「高脂血症」を「脂質異常症」に改訂することになったわけです。また、このように改訂することにより、低HDL-C 血症も動脈硬化性疾患の危険因子として強く認識していただきたい、との意図も込められました。以上の経緯から高LDL-C 血症や高TG血症といった脂質値が高くなる病態に対しては、「高脂血症」という診断名を使用することは特に問題はありません。

「脂質(血清脂質)」は血液を流れるコレステロールやトリグリセライド(TG)などの脂肪分のことです。脂質異常症はこれらの血液に溶けている脂肪分の代謝に異常がある状態です。脂質の異常だと診断されるのは、高LDL-C 血症、高TG血症、低HDL-C 血症の場合です。これらの脂質代謝の異常が起こると心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患を引き起こします。動脈硬化性疾患は発症すると日常生活に支障をきたすとともに総死亡の約24%を占める重篤な病気です。動脈硬化性疾患は、加齢、性別、家族歴以外に、糖尿病、高血圧、喫煙、脂質異常症が危険因子となりますが、脂質異常症はこのような動脈硬化の危険因子のなかでも重要な因子であることが、さまざまな実験や疫学研究で示されています。脂質異常症は長年の蓄積により動脈硬化を進行させますが、早期に介入することで心筋梗塞や脳梗塞などの発症の予防ができます。また適切な治療により動脈硬化の改善も期待できます。脂質異常症を指摘された時に症状がなくても、放置することで動脈硬化が進行し、やがて命を脅かす状態になる可能性があります。したがって、脂質異常症を指摘された場合、動脈硬化性疾患を将来発症しないために、早期から治療が必要となります。

LDL-Cを求める方法として、Friedewaldの式で計算する方法とLDL-C直接法(以下直接法)があります。TC値は、Friedewaldの式でLDL-Cを計算するために必要です(Q5参照)。Friedewaldの式は、空腹時の採血でTGが400mg/dL 未満の場合に使用できます。食後の採血やTGが400mg/dL 以上の場合は、直接法でLDL-Cを測定するか、non-HDL-Cを求めます。TC値は、non-HDL-C (=TC-HDL-C) の計算にも用いられます。

一方、最近用いられるのが、「LDL-C直接法(またはホモジニアス法)」です。直接法はわが国で開発され、界面活性剤などでLDL 以外のリポ蛋白質を破壊するか、逆にこれらを保護することにより、LDLに含まれるコレステロールだけを測定します。直接法の特徴は、再現性が良く、空腹時でも食後でも同様に正確に測定できる点です。ただし、直接法は、LDLの組成が著しく正常と異なる場合に使用してはいけません。例えば、①著明な低LDL-C 血症( 1,000mg/dL)、③著明な高HDL-C血症(>120mg/dL:LDLの組成も異常となるため)、④胆汁うっ滞性肝障害などがこれに相当します。

臨床検査分野では、米国疾病管理センター(レジスタンスレベルの定義 CDC)を中心としたCholesterolReference Method Laboratory Network (CRMLN)が、世界的なLDL-Cの標準化プログラムを提供しています。LDLは、病態により組成や性質が変化します。LDL-Cは化学的な純物質がないため、正しい値を表示する絶対的な標準物質が存在しません。さらに、どのような病態でもLDL-Cを正確に測定できる絶対的な基準測定法もありません。そこで、CRMLNは、超遠心法と沈殿法を組み合わせ、コレステロールをAbell-Kendall 法(化学的定量法)で測定するベータ定量(BQ:beta-quantifi cation)法をLDL-Cの基準測定法にしています。BQ法は、多くの血液量・時間・熟練した手技を必要とするため、一般の検査室で行うことはできません。

脂質異常症の診断は空腹時採血で行われ、LDL-CはFriedewaldの式(F式:TCHDL-C-TG/5)を用いて算出することを基本としますが、食後採血やTGが400mg/dL以上の場合はF式を用いることはできませんので、LDL-C直接法でLDL-Cを測定するか、non-HDL-C(TC-HDL-C)を用います。また、non-HDL-Cは冠動脈疾患の発症・死亡を予測しうる有用な指標であり、170mg/dL 以上をnon-HDL-Cのスクリーニング基準としています。さらに、他の危険因子の重複の影響を慎重に判断すべき境界域としては150 ~169mg/dLとしています。リスク管理目標としても、先ずLDL-Cの目標の達成を目指し、次にnon-HDL-Cの目標達成を目指します。このように、non-HDL-Cは、LDL-Cの次に達成すべき治療目標なので、脂質異常症の診断基準に追加されました。

HDL-Cは冠動脈疾患の負の危険因子とされてきました。しかし、この考え方と矛盾する事例が複数知られています。例えば、HDLの代謝に関連するSR-BIやCETPの機能低下は高HDL-C 血症を呈しますが、冠動脈疾患は増加します。アポA-I Milanoと呼ばれる変異は低HDL 血症を呈しますが、冠動脈疾患は減少します。LCAT欠損症ではHDL-Cが著減しますが、冠動脈疾患が増加するわけではありません。一方、マクロファージのコレステロールを引き抜くHDLの能力が低いと冠動脈疾患が増加することがわかってきました。SR-BIやCETPの機能低下で増加したHDLはこの機能が低下しています。これらのことから、HDLの量もある程度大切ですが、質がより重要だと現在では考えられています。

基本的に空腹時のTGが150mg/dLを超える状態を高TG血症と定義し、治療の必要性 を検討します。治療目標値も基本的に空腹時のTGが150mg/dL 未満を目指します。一方、非空腹時のTGが高いほど、急性心筋梗塞、狭心症、突然心臓死のリスクが増加するというわが国の成績や、急性心筋梗塞、冠動脈疾患、虚血性脳卒中、総死亡のリスクが増大するという海外の成績もあります。今後、非空腹時のTG値を用いたスクリーニング基準値や治療目標値が提唱されることがあるかもしれません。

一般的に、血液検査は10 時間以上絶食後の「早朝空腹時」に行います。なぜなら、TGが食事に伴って増加するため、食後の採血では測定値が食事内容や食後時間によって大きく変動し、脂質異常症の診断が困難になるからです。しかし、ヒトに対するさまざまな疫学研究や脂肪負荷試験の結果、食後に血清TGが異常に増加し、そのピークが遅延・遷延する集団が発見されました。これは食後高脂血症(あるいは食後高TG 血症)と呼ばれ、動脈硬化性疾患との関連性が指摘されています。わが国の健康診断での検討において、食後(非空腹時)のTGの増加が、心血管疾患の増加と相関することが示されています(図A)。

加齢は動脈硬化性疾患の最も大きな危険因子と考えられています。今回のガイドラインにおける吹田スコアにおいても、年齢が70歳から74歳の場合、例えば男性で、喫煙なく、Ⅰ度高血圧があり、HDL-Cが55mg/dL、LDL-Cが150mg/dLの場合、耐糖能異常や家族歴がなくても、吹田スコアは59点となり、向こう10年間の冠動脈発症率は約11%となり、高リスクと分類されます。女性でも多くの方は中リスク以上に分類されますので、LDL-Cの管理目標は男性120mg/dL 未満、女性140mg/dL 未満となります。このようなケースで脂質異常症の治療をどうすべきかについては、いろいろな考え方があります。ガイドラインにおける脂質管理目標値を努力目標と位置づけ個別に対応することも一つの考え方です。動脈硬化性疾患の予防の基本は生活習慣の改善であり、食事療法、運動療法を行うことになりますが、他の合併症や予後などを考えて、薬物治療を行うかどうかを決定することが重要です。また高齢者においては個体差が大きく、厳格な食事療法が低栄養やフレイル、サルコペニアの原因となることもあり、注意が必要です。運動療法についてもそれぞれの身体機能に応じた指導が必要と思われます。

吹田スコアは、脂質異常症と高血圧に対する服薬治療中の情報は特に考慮して作成されていません。ただし、追跡開始時に脳卒中、心筋梗塞の既往がある方は分析から除かれているため、一次予防の管理目標値の設定に用いられています。吹田スコアのベースライン調査時(1989 ~1994 レジスタンスレベルの定義 年)はわが国へのスタチン登場直後であり、まだ脂質低下療法は一般的でありませんでした(治療中だったのは吹田研究参加者の2%以下)。したがって既にコレステロール低下薬服用中の場合は、なるべく治療開始前のLDL-C値に基づいてリスクスコアを用いることが望ましいといえます。

一方、血圧については、吹田研究のベースライン調査には10 ~ 15% 程度の降圧剤服用中の人が含まれています。治療中で収縮期血圧が140mmHgになった人と非治療で140mmHgの人を比べると、一般的には前者のほうが高血圧の罹病歴も長く非薬物的にコントロールができないため服薬に至ったと考えるのが自然です。したがって同じ血圧レベルの場合は治療中のほうが非治療中よりも絶対リスクは高いと考えられます。実際にフラミンガムスコアでは治療中の場合、同じ血圧レベルでもスコアに1ポイントを加算するようになっています。しかしながら日本人集団では、血圧レベルが同じであれば、服薬によって今回の冠動脈疾患の絶対リスクの区分(低、中、高)が変更されるほどの影響はないこともわかっています。したがって治療中でもそのままリスクスコアを用いて構いませんが、少しだけリスクが高い可能性を考慮して血圧管理を厳重に行ってください。

頸動脈エコーで行う動脈硬化の評価項目としては、内中膜厚(IMT:Intima-Media Thickness)とプラーク(1.1mm以上の限局性肥厚性病変)の有無、狭窄の有無などがあります。IMTは年齢とともに増厚することがわかっており、プラークの評価としては、1.5mmを超えるとプラーク厚、性状評価を行います。狭窄度については、収縮期最大血流速度(PSV:Peak Systolic Velocity)を計測し、200 ~230cm/s以上で有意狭窄ありと判断します。

炭水化物は、単糖類(ブドウ糖、果糖など)、オリゴ糖類(蔗糖などの二糖類、少糖類)、多糖類(デンプン、食物繊維など)、誘導糖類(糖アルコールなど)の総称です。糖質は炭水化物のうち食物繊維を除いたものを指します。糖質にはブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、麦芽糖、デンプンやグリコーゲンなどがあり、主にエネルギー源として利用されます。この中で果糖、蔗糖は食後の高脂血症を悪化させることが知られており、高TG 血症がある場合には特に注意が必要です。 食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、特に水溶性食物繊維にはコレステロールの吸収抑制効果があるといわれています。日本食品標準成分表2015(炭水化物成分表編)には食品中の各糖質量の他に食物繊維量(水溶性食物繊維、不溶性食物繊維および総量)が示されています。

脂肪酸は、二重結合を含まない飽和脂肪酸(SFA:saturated fatty acid)、二重結合が1個ある一価不飽和脂肪酸(MUFA:mono-unsaturated fatty acid)、二重結合を2個以上もつ多価不飽和脂肪酸(PUFA:poly-unsaturated fatty acid)に大別されます。さらに、PUFAは、二重結合がメチル基末端の炭素原子から数えて3番目の炭素にあるn-3系PUFAと、6番目の炭素にあるn-6系PUFAに分類されます。

2015年2月にアメリカ農務省と保健福祉省から,食事でのコレステロール摂取制限は必要ないとの発表があり、また、日本でも厚生労働省による「日本人の食事摂取基準2015年版」ではコレステロール摂取の上限値がなくなりました。これは、摂取したコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響には個人差が大きく、どれだけまで大丈夫という数字が出せないためです。したがってコレステロールはどれだけとっても大丈夫という意味ではありません。現在、高血圧や糖尿病、喫煙など他の動脈硬化性疾患の危険因子を持っておらず、LDL-Cが高値でない場合は、現在の食事内容でコレステロールを制限する必要はありません。しかしながら、飽和脂肪酸はLDL-C値を増やすことが知られています。コレステロールを多く含む動物性食品は同時に飽和脂肪酸も多く含みますので、このような動物性食品を摂りすぎないことが推奨されます。上記のアメリカの発表でも、日本人の食事摂取基準でも飽和脂肪酸の制限を設けています。LDL-Cが高値の場合や糖尿病や冠動脈疾患合併などのハイリスク病態ではこれまで通り、食事でのコレステロール摂取制限が必要であり、同時に飽和脂肪酸についても摂取制限が必要です。コレステロール摂取量の制限値を設定することは難しいものの、コレステロール200mg/日未満と飽和脂肪酸7 %E 未満にすることによりLDL-C低下効果が期待できることから、高LDL-C 血症がある場合、摂取コレステロールを200mg/日未満にすることが推奨されています。(日本動脈硬化学会2015 年5月「コレステロール摂取量に関する声明」、日本動脈硬化学会編「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」67頁 参照)

スタチンはコレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA 還元酵素を阻害し、肝臓のLDL 受容体の数を増やして、血液中のLDL-Cを低下させる薬です。現在わが国ではプラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンが使用されています。

LDL-C低下効果、動脈硬化性疾患を予防するエビデンスが確立していることなどから、スタチンがLDL-C低下療法の第一選択薬となります。しかし、高用量のスタチンを使用してもLDL-Cが管理目標値まで低下しない場合には、作用機序の異なる小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、陰イオン交換樹脂、プロブコール、PCSK9 阻害薬などを併用することで、LDL-Cをさらに低下させることができます。筋肉痛や横紋筋融解症などの副作用でスタチンを使用できない、または低用量にとどめざるを得ない場合にも、こうした薬剤を使用または併用することでLDL-Cを管理目標値まで低下させることができます。スタチン以外の薬物では、動脈硬化性疾患予防のエビデンスが不足していましたが、近年、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬やPCSK9 阻害薬をスタチンと併用することで、ハイリスク患者の心血管イベントを減少させることが海外で報告され、スタチン以外の薬物でLDL-Cを低下させても動脈硬化性疾患が予防できるエビデンスが揃いつつあります。

スタチンを用いた大規模臨床試験のメタ解析の結果(2010年Lancet)、スタチン治療により糖尿病の新規発症が9%増加すること、そのリスクにはスタチンの種類間で違いは認めないことが示されました。さらに、別のメタ解析(2011年J Am Coll Cardiol)では、スタチン用量依存性に糖尿病の新規発症が増加することが示されました。

スタチン投与による筋症状は10%前後と比較的よく認められますが、その中で注意すべき重篤な副作用として横紋筋融解症があります。2015年のEuropean AtherosclerosisSociety(EAS)の専門委員会では、筋症状があり、CKが正常上限値の10倍以上を筋炎、正常上限値の40倍以上を横紋筋融解症と定義しています。CKが正常上限値の10倍以上となるのは1/1000 ~ 10000人・年と少ないものの、特に腎機能低下のある患者でフィブラートと併用した場合などには発症頻度が増加します。甲状腺機能低下もCK 上昇の危険因子です。スタチン投与中に筋肉痛や筋力低下を訴えた際には、褐色尿の有無を問診し、可能であればCKを測定して著明な上昇がないかを確認します。無症状でもCKは正常上限値の3 ~ 10倍程度上昇していることがあります。正常上限値の4倍程度までの上昇ではスタチンの必要性を見直した上で投与を継続し、経過観察をすることもあります。正常上限値の4倍以上ではスタチンの中止が原則ですが、冠動脈疾患の高リスク患者では経過観察しながら投与を継続することもあります。CKが正常上限値の10倍以上であればスタチンを中止します。投与の必要性の高い患者では、中止後一定期間をおいてCKが低下した後に、CKをモニターしながら別のスタチンを少量で再開することは可能です。中止後もCK上昇が続く場合は、筋疾患などの可能性を考慮して専門家にコンサルトが必要です。横紋筋融解症をきたした場合には、十分な補液と腎機能についての経過観察が必要となります。

LDL-C値が180mg/dL 以上であるため、まずはFHを念頭に置く必要があります。ガイドラインの診断基準に従い、高LDL-C 血症および早発性冠動脈疾患の家族歴を問診し、アキレス腱肥厚をはじめとする腱黄色腫や角膜輪の存在を確かめます。アキレス腱肥厚の判定が難しい場合にはX 線撮影を行います。FHと診断されれば、一次予防でも生活習慣指導と並行して薬物療法を開始し、LDL-Cの目標は100mg/dL 未満とします。FHの診断基準を満たさない場合は、一次予防の比較的若い患者さんであることから、まずは食事・運動療法を開始します。薬物療法の必要性については、絶対リスクも考慮して患者さんと相談します。動脈硬化学会の脂質管理目標値設定ツールアプリを用いて、仮に血圧を120/70mmHg、HDL-Cを50mg/dLとした場合、10年以内の冠動脈疾患発症確率は1.6%となり、最もリスクの少ない人と比べて1.1ポイント高いという結果になります。直ちに薬物療法を開始する必要性は少ないですが、頸動脈エコーのプラークなど動脈硬化所見を認めたり、 FHの可能性が否定できない場合は、FH 疑い症例として生涯リスクを考えて薬物療法を開始してもよいでしょう。

現在わが国ではエボロクマブ(レパーサ® )およびアリロクマブ(プラルエント®)(※)2種類のPCSK9 阻害薬が存在しており、高LDL-C 血症患者において強力なLDL-C低下作用を有する治療薬として登場しています。これらは分子抗体医薬であり、皮下注射( 2週に1回あるいは4週に1回)によりその効力を発揮します。すでにスタチンを高用量使用し、さらにエゼチミブを併用しているような患者さんの場合でもさらなるLDL-C値の低下効果があり、50mg/dL 以下にまで低下する場合も多くみられます。現在、日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版でLDL-C70mg/dL 未満を目指す必要のあるハイリスク集団は、冠動脈疾患をすでに起こした二次予防患者さんでしかもFH、急性冠症候群、合併症を有する糖尿病のいずれかを有する症例とされています。ただし、LDL-Cの低下のみで冠動脈疾患の再発を抑制できるわけではなく(残余リスクの存在)、他の動脈硬化リスクとなる合併疾患(高TG血症、低HDL-C 血症、喫煙、高血圧、糖尿病、CKDなど)への治療も重要です。

PCSK9 阻害薬では3割負担でも月1万5千円を超える高額な治療薬です。高LDL-C 血症をはじめとした脂質異常症の治療はともすると数値の低下のみがフォーカスされ、その目的が見失われがちになる傾向にあります。実際に、患者さんになぜ脂質低下療法をしているのかお聞きしても主治医の先生からご説明がなかったというお返事もよくみられます。脂質異常症の治療の最大の目的は心血管疾患や急性膵炎など重篤で致命的な合併症を抑制することにあります。日本動脈硬化学会では海外でのエビデンスをもとに動脈硬化性疾患予防ガイドラインにおいてLDL-C 70mg/dL 未満を目指すべきハイリスク集団として、冠動脈疾患をすでに起こした二次予防患者でしかもFH、急性冠症候群、合併症を有する糖尿病のいずれかを有する症例をあげています。患者さんがこの基準に当てはまる場合はLDL-Cの低下療法の恩恵が高い可能性があることを伝え、適切に治療を継続するよう勧めてください。ただ、高用量スタチンおよびエゼチミブの併用投与により十分なLDL-Cの低下を示す症例もあることから、主治医の先生による十分な適応の評価が必要となります。

FHは、出生時から高LDL-C レジスタンスレベルの定義 血症が持続する優性遺伝疾患で、LDL 受容体機能の遺伝的な異常に起因します。FHヘテロ接合体の頻度は一般人1/200 ~ 500と高頻度であり、冠動脈疾患罹患率が高く若年死リスクもある疾患です。なお、アキレス腱肥厚(黄色腫)はFHに特異的な身体所見ですが、出現するのは6 ~ 7割の症例で全例ではないことに注意が必要です。診断には家族調査も重要であり、またFHと診断した場合には家族への診断・治療機会の提供も大切です。高LDL-C 血症では全例でFHを疑い、腱黄色腫の診察と家族歴の聴取を行うことがとても重要です。

TCとTGの両者が高くなる高脂血症にはⅡb 型とⅢ型高脂血症があります。その鑑別にはリポ蛋白の電気泳動法が有効で、broadβバンドが認められれば、アポリポ蛋白Eの異常による家族性Ⅲ型高脂血症が疑われます。Ⅱb 型高脂血症では、思春期以降に高脂血症を呈する家族性複合型高脂血症の場合があります。家族性複合型高脂血症ではⅡa型やⅣ型高脂血症を呈する場合もあり、診断には脂質異常症の型を含む家族調査が重要です。家族性複合型高脂血症の多くの症例は多因子遺伝と考えられています。

FHは出生時から高LDL-C 血症が持続する遺伝性疾患で、LDL 受容体などの遺伝的な異常に起因します(「Q&A35」参照)。

診断基準では感度特異度の検討から「未治療時LDL-C 180mg/dL 以上」とされていますが、実際には1割程度のFH 症例のLDL-C は160 ~180mg/dLです。ちなみに15歳未満の小児FHの診断基準は「LDL-C 140mg/dL 以上」です。

① 腱黄色腫はFHに特異性が高い:LDL-C高値自体は特異性が低い所見ですが,FHの6 ~7割は腱黄色腫を呈し、腱黄色腫を伴う高LDL-C 血症のほとんどがFHです。ただし腱黄色腫を呈さないFH 症例もあり、特に若年者では診断基準を満たさないことが多く、20歳程度では腱黄色腫を確認できるのは半分以下です。

慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)は、糖尿病に匹敵する心血管イベント発症の高リスク病態です。糸球体濾過量(GFR)が低下するほど、また同じGFRなら蛋白尿が高度なほど、リスクが高くなります。その背景として、CKDに伴う古典的危険因子の増悪と、リン・カルシウム代謝異常など非古典的危険因子の関与が考えられており、包括的リスク管理が非常に重要となります。

LDLは密度1.019 ~ 1.063 g/mLに分布し、粒子平均径は20 ~ 26nm(200 ~260Å)といわれていますが、small dense LDLはLDLの中でも直径が小さく、密度が高い粒子に相当します。一般的には直径25.5nm以下のLDL粒子で、比重は1.044 ~1.063g/mLに分布しています。

臨床的には、2 ~16%ポリアクリルアミド・グラジエントゲルを用いた電気泳動(PAGE)によるLDL粒子の移動度から、small dense LDLの出現を判定します。VLDLのピークからHDLのピークまでの距離=a、LDLまでの距離=bとし、b/a<0.4が正常です。

簡易的には、ポリアクリルアミドディスクゲル電気泳動法を用いた測定はリポ蛋白分画(PAGディスク電気泳動法)として保険診療上認められている方法です。国際的にはグラジエントゲルを用いた電気泳動による方法が認知されていますが、直接法による定量も試みられており、sd LDL-Cとして2017年8月に米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。なお、報告者によりsmall dense LDLの定義が異なる場合があるので、データを比較する場合は注意してください。

small dense LDLの出現は耐糖能異常に伴う高TG血症や内臓脂肪の蓄積したメタボリックシンドロームで高頻度に認めます。血清脂質値が異常を示さない例(正脂血症例)でも耐糖能異常があればsmall dense LDLを認めることがよくあります。

したがって、small dense LDLを減ずるためにはその原因である耐糖能異常、高TG血症や内臓脂肪蓄積を是正することで目的が達成されると考えられます。

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